今月の臨床 子宮筋腫の治療―大きく広がった選択の幅
MRガイド下集束超音波療法(MR-guided focused ultrasound surgery:FUS)
2.FUSの適応と限界
福西 秀信
1
,
舟木 馨
1
1新須磨病院婦人科
pp.52-55
発行日 2008年1月10日
Published Date 2008/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101643
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はじめに
今世紀になって子宮筋腫に対する治療法として広く臨床応用が始まった集束超音波療法(FUS)は,ExAblate2000(InSightec, Israel)の治療用テーブルに腹臥位となり,腹壁外から超音波を照射し,組織内温度を60~90℃にして子宮筋腫核を凝固壊死させるものである.治療部位の位置の確認と温度上昇の確認をMR(GE-Yokokawa, USA)で行う.この治療はほぼ半日で終わり,日常生活への復帰が早く,しかも放射線被曝がなく,隣接臓器への影響もみられないといわれている1~3).
治療に際しては超音波の通過域にガスを含むものがないこと,恥骨を避けること,超音波の筋腫内集束部から仙骨前面や坐骨神経の走行部までには4cm以上の距離が必要であることが基本的な重要事項になっている.このために適応になる症例の制約が多い.本稿では,FUSの適応とその限界について述べる.
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