今月の臨床 産婦人科外来ベストナビゲーション
ここが聞きたい105例の対処と処方
II 内分泌
【骨粗鬆症】49.閉経後に骨量低下,骨粗鬆症を認める患者です.
望月 善子
1
1獨協医科大学産科婦人科
pp.509-511
発行日 2007年4月10日
Published Date 2007/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101482
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1 診療の概説
骨粗鬆症は性ホルモン欠乏と加齢に伴う,骨の量の減少と質の劣化により発症すると考えられるようになり,骨代謝制御による骨折防止効果が明らかになるとともに,骨粗鬆症治療薬にも骨の「量の増加」だけでなく,「質の改善」が望まれるようになった.そして,いうまでもなく骨粗鬆症診療の目的は,その合併症である骨折を防止することにあるので,予防的見地からも骨量減少が始まる閉経周辺期に骨量の程度や骨代謝動態を評価しておくことは非常に大切なことであると考える.
昨年改訂された骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2006年度版 1)では,骨粗鬆症についての基本的な考え方が示された(表1).また,骨量減少者に対する薬物治療開始の妥当性について言及され,骨折危険因子の有無を考慮したうえで,骨粗鬆症診断基準とは別に,薬物治療開始基準が設定された(図1).さらに,骨代謝回転亢進,疼痛,ビタミン不足などの病態の違いや骨折の有無,骨密度低下など病期の違いといった視点から治療法を整理し,病態・病期ごとの薬剤選択の考え方の方向性が呈示された(図2).
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