今月の臨床 産婦人科外来ベストナビゲーション
ここが聞きたい105例の対処と処方
II 内分泌
【更年期障害(ホルモン補充療法)】48.ホルモン補充療法を希望する子宮筋腫を持つ閉経後婦人です.
望月 善子
1
1獨協医科大学産科婦人科
pp.505-507
発行日 2007年4月10日
Published Date 2007/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101481
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1 診療の概説
子宮筋腫は40歳代女性の1/3~1/4が罹患しているといわれるぐらい,日常的に遭遇する疾患であるが,その発生,病態については未知の部分が多い良性腫瘍である.最近では,子宮筋腫にはエストロゲン受容体やプロゲステロン受容体が正常子宮平滑筋よりも高いレベルに維持され,子宮筋腫細胞の増殖にはエストロゲンのみならずプロゲステロンの作用も重要であり,これらの性ステロイドホルモンの周期的作用の下で発育すると考えられている 1).
無症状で経過,あるいは有症状であっても,子宮筋腫は閉経期を過ぎれば自然に縮小するという理由で保存療法を選択し,子宮筋腫を持ったまま閉経を迎えることも多い.そして,ホルモン補充療法(HRT)が必要となった場合,子宮筋腫の増大が危惧されるわけである.実際,本症へのHRTは増悪を理由に比較的禁忌とされている 2)が,本稿ではこれまでの報告を紹介し,実地臨床上の対処方法を考えてみたい.
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