今月の臨床 産婦人科外来ベストナビゲーション
ここが聞きたい105例の対処と処方
I 周産期
【切迫流産】2.流産徴候がみられる妊娠12週未満の妊婦です.
柳下 正人
1
1東京医科大学産科婦人科学教室
pp.350-351
発行日 2007年4月10日
Published Date 2007/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101432
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1 診療の概説
切迫流産とは性器出血や下腹部痛が認められるものの,胎児が生存している可能性が高く,妊娠継続の可能性のある状態を示し,12週未満を初期(切迫)流産,12~21週を後期(切迫)流産と定義している.症状としては,性器出血,下腹部痛,腰痛,下腹部緊満感などが認められる.全妊婦の20%前後に以上のような症状が認められるが,流産に至るのはその半数といわれる.全妊娠の約15%が流産することがよく知られているが,妊娠週数が早いほど流産率は高く,90%が妊娠12週未満の初期流産である.
流産の原因は表1のように多岐にわたる.流産胎児の約60%に染色体異常が認められることはよく知られている 1).
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