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羊水注入法は胎便吸引症候群を予防しない
武久 徹
1
1武久レディースクリニック
pp.1507-1509
発行日 2006年12月10日
Published Date 2006/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101334
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分娩中の羊水注入法が臨床的に多用されてきたのは1990年前後からで,特に南カリフォルニア大学(USC)は膨大な症例数で数々の羊水注入法の利点を紹介してきた.
現在までに発表され使われてきた羊水注入法の主な適応は,(1)分娩中に出現した臍帯圧胎児心拍数パターンの治療,(2)羊水過少症が判明している例での分娩中の予防的羊水注入法,(3)分娩中で胎便による羊水汚染(MSAF)がある際の胎便吸引症候群(MAS)予防のため,(4)特殊例として,満期前破水の分娩中の胎児心拍数悪化を予防するための羊水注入法などである.これらのなかには,有効性にいくつかの疑問が投げかけられてきた適応もある(表1).
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