連載 産婦人科エコー 何を考えるか?・11
無脳症児の頭部像
竹内 久彌
1
1愛和病院画像診断部
pp.1433-1435
発行日 2006年12月10日
Published Date 2006/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101320
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妊娠14週4日の妊婦健診で施行された超音波検査で胎児頭部の形態に異常が疑われるとして精検を依頼された症例である.健診では経腹超音波が使われていたが,ここには精検時の経腟超音波の画像を示した.胎児の頭部と体幹部が冠状断像で示されている.
頭頂部に明らかな異常嚢胞構造(矢印)がみられたため,健診担当医は水頭症の存在を考えたという.しかし,この胎児が妊娠第1三半期にあることを前提に考えれば,この時期における水頭症の発症は知られていないので,むしろ頭部の発生異常を考慮すべきである.いたずらに形態異常にだけ目をうばわれるのでなく,発生学的・解剖学的な構造の基本を読み取ることが必要である.
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