臨床メモ
胎便吸引症候群の発生とその予防
貝原 学
1
1帝京大学市原病院産婦人科
pp.528
発行日 1989年6月10日
Published Date 1989/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409208012
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胎便吸引症候群(meconium aspi—ration syndrome)は粘稠な胎便を混じる羊水が吸引され,胎児の気道が機械的に閉塞されたり,化学的な炎症が肺にもたらされるために発生すると考えられている。
Carsonら1)は分娩後に児の気道の吸引を喉頭鏡下に十分に行うことによって本症の発生を減少させることができたと述べているが,それでもおよそ2%の頻度で発生している。しかも,本症による死亡率は40%と高く2),この15年間,その発生率に変化がみられていない。
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