特集 図でみる病態産婦人科学--適正治療のために
胎児・新生児
羊水吸引症候群
佐藤 章
1
,
佐藤 真澄
1
Akira Sato
1
,
Masumi Sato
1
1東北大学医学部産科学婦人科学教室
pp.525-528
発行日 1985年6月10日
Published Date 1985/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207204
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羊水吸引症候群(以下MAS: Meconium AspirationSyndrome)は,胎内,あるいは出生時に,児が胎便を混入した羊水を肺内に吸引するために呼吸困難をひき起こす疾患である。また大量の羊水を吸引することが本症の原因であるとの考え方から,Schafferらは,MassiveAspiration Syndrome大量吸引症候群と呼称した1)。
MASは,呼吸窮迫症候群・一過性多呼吸と並び,新生児三大呼吸疾患のひとつとされ,とりわけ満期産あるいは過期産の出生体重児に生直後よりみられる呼吸困難の場合には本症を考える。症状は軽い呼吸障害程度のものから胎児循環遺残症(Persistent Fetal Circulation:PFCと略す)に至るものまであるが,PFCを合併したものは予後不良である。
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