今月の臨床 婦人科がん検診
正診率向上のための要点
2.子宮頸癌 3)細胞診Class IIIの取り扱い方
斉藤 淳子
1
1関西医科大学産婦人科
pp.47-49
発行日 2003年1月10日
Published Date 2003/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101100
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
細胞診による子宮頸癌検診は広く行われており,そのなかで細胞診Class IIIの症例に対しては,コルポ下生検を行ったり,施設によって再度細胞診後に追跡管理されているのが現状である.これらClass IIIの症例では,軽度の炎症性変化から異形成,癌に至る病変が見つかり,これらの取り扱いについては十分に注意する必要がある.日本ではその管理,追跡方法については確立した指針がない.一方,米国では2001年にこれまで用いられてきた細胞診診断のベセスダシステム(1991年)1)を細胞診断学と新技術(細胞診自動解析装置,細胞診画像解析システム,液状処理標本liquid―based specimen, HPV testなど)の発展による変更を加え,ベセスダシステム20012)とし,2002年にはThe American Society for Colposcopy and Cervical Pathology(ASCCP)が「子宮頸部細胞異常ならびに頸部前癌病変の取り扱いについての共通ガイドライン」3)を作成し,癌の見落としを少なくする努力がなされている.
日本では,日母細胞診クラス分類4)が広く用いられており,米国での細胞診分類ベセスダシステム2001やその取り扱いについても参考にし,子宮頸部細胞診Class IIIの症例の取り扱いについて解説する.
Copyright © 2003, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.