今月の臨床 婦人科がん検診
正診率向上のための要点
2.子宮頸癌 1)検体採取のコツ
福田 耕一
1
,
内山 倫子
2
1佐賀県立病院好生館産婦人科
2佐賀医科大学産婦人科
pp.39-41
発行日 2003年1月10日
Published Date 2003/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101098
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はじめに
子宮頸癌検診において,細胞診が果たす役割の重要性は広く認められているところである.近年,1989年の米国におけるTBS(ベセスダ・システム)の登場以来,細胞診の精度管理が話題となってきた1~3).細胞診の精度管理を左右するものは,検鏡に携わる細胞検査技士や細胞診認定医(指導医)の技量の問題よりも,多くの場合,臨床の現場にいる医師自身の知識不足に起因することが指摘されている4).年齢,最終月経,臨床診断などの適切な情報が欠けていたり,乾燥標本,細胞量が少ない,固定不十分,塗抹が厚いなど検鏡に不適切な標本であったり,あるいは採取部位が適切でないため異型細胞が採取されない(sampling error)などが考えられる.
本稿では,sampling errorや不適切標本を避けるための頸部細胞診の細胞採取法,塗抹法,固定法,採取器具などについて私見を述べる.
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