今月の臨床 UAE―子宮筋腫塞栓療法
術後管理と合併症
3.卵巣機能・妊娠への影響
本田 育子
1
,
佐藤 哲也
1
,
安達 英夫
1
,
島田 薫
2
,
小林 善宗
2
,
井上 正人
2
1山近記念総合病院産婦人科
2山王病院産婦人科リプロダクションセンター
pp.936-939
発行日 2003年7月10日
Published Date 2003/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100881
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はじめに
出産年齢の高齢化に伴い子宮筋腫や子宮腺筋症患者の中で妊孕能を温存する必要のある患者は少なくない.UAEを検討して来院した患者279名(平均年齢41.7歳)の中で,子宮を妊孕能温存という目的で残す必要のある患者の割合は実に6割にのぼった.このような場合,筋腫・腺筋症治療は不妊症治療でもあり,また長期的に妊孕能を維持しうる治療方法であることが求められるが,不妊症の患者や将来妊娠を希望する患者へのUAEの適応については結論に至っていない.われわれはUAEを第一選択とは考えないが,症例によっては有用性を慎重に検討し採用してよい治療方法と考えている.
UAEが妊孕能に及ぼす影響として,卵巣機能,子宮への影響を考慮する必要がある.さらに子宮筋腫合併不妊症あるいは子宮腺筋症合併不妊症患者に対し当院で行われたUAE治療について現時点での不妊治療成績を検討した.UAEの手技については文献1, 2)を参照いただきたい.
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