今月の臨床 UAE―子宮筋腫塞栓療法
術後管理と合併症
2.術後管理と合併症への対応
安達 英夫
1
,
本田 育子
1
,
佐藤 哲也
2
1山近記念総合病院産婦人科
2山近記念総合病院外科
pp.930-935
発行日 2003年7月10日
Published Date 2003/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100880
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はじめに
子宮筋腫の新しい治療方法として子宮を温存する子宮動脈塞栓術(uterine artery embolization : 以下,UAE)が導入され1~5),わが国でも行われるようになってきている.子宮筋腫の治療とは,腹腔内のある容積を占める筋腫塊を可能な限り取り除くことにより治療目的が達成される.ところがUAEでは一次的に筋腫組織を摘除するわけではなく,術後も残存している筋腫塊が二次的に壊死,退縮,消失することによって,随伴する諸症状が改善するわけである.このようにUAEは自己完結的治療法ではなく,UAE後に筋腫塊の縮小とともに多様な術後経過をたどる.そしてこの経過は完全には予測できないというのが現状である.UAEを実施した後,塞栓を受け壊死化した筋腫塊が残存する限り,壊死化筋腫核の行方を厳重に観察・管理し,必要に応じて有効な対策を速やかに施さなければならない.UAE後の患者管理に携わる現場から,UAE後の問題点と対処の実態を述べる.
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