特集 GIFT
GIFTとIVF-ETR
小林 善宗
1
,
井上 正人
1
,
本田 育子
1
,
淡路 英雄
1
,
藤井 明和
1
Yoshimune Kobayashi
1
1東海大学医学部産婦人科教室
pp.143-148
発行日 1989年2月10日
Published Date 1989/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207944
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不妊症領域における最近の治療の進歩には目ざましいものがある。なかでも,配偶子操作の臨床応用は,きわめて有力な治療法として確立された観がある。IVF-ETの臨床治療に始まり,GIFT,IVF-ETRの開発まで進んできた。またIVF-ETは今や超音波ガイド経腟採卵法の導入により,外来ベースで行うことが十分可能となった。一方,卵管の疎通性のある難治性不妊に対して,IVF-ETに比べてより生理的な配偶子卵管内移植(GIFT)が新たな治療法として登場してきた。しかしGIFTにも限界があり,卵管内受精障害などに対しては多くを期待できない。われわれはGIFT不成功例に対して,新たな治療法として,体外受精卵卵管内移植(IVF-ETR)を開発した。これまできわめて難治性であった免疫性不妊に対してIVF-ETRで比較的簡単に治療できることが分かってきた。
本稿では,GIFT,IVF-ETRにおける選択基準について,われわれの成績を中心に概説した。
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