今月の臨床 高年妊娠-母児ケアのポイント
リスクへの対応とケアのポイント
8.高齢妊娠と難産
平野 秀人
1
,
小原 幹隆
1
,
細谷 直子
1
,
畠山 佑子
1
,
田中 俊誠
1
1秋田大学医学部生殖達医学講座産婦人科学分野
pp.54-57
発行日 2007年1月10日
Published Date 2007/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100710
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はじめに
高齢妊娠(35歳以上とする),とくに高齢初産では,分娩時に種々のリスクを伴うといわれている.分娩時間の遷延(難産),異常出血,高度な産道損傷,胎児・新生児低酸素症,高い帝王切開率などがそうである.なかでも高齢初産の場合,「難産になりやすい」というイメージは確かにある.そのイメージは本当なのであろうか.生涯出産回数が激減した現在,もし難産となる可能性が高ければ,高齢であること以外,明らかな産科的適応はなくても,経腟分娩を試みることなく,はじめから帝王切開術を選択するという考えも妥当である.
本稿では,「高齢初産は帝王切開が無難,それでよいのか」をもう一度考えてみる機会を提供したい.
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