今月の臨床 高年妊娠-母児ケアのポイント
リスクへの対応とケアのポイント
6.多胎
渡場 孝弥
1
,
左合 治彦
1
,
北川 道弘
1
1国立成育医療センター周産期診療部
pp.46-49
発行日 2007年1月10日
Published Date 2007/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100708
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はじめに
近年,女性の社会進出や国民の意識の変化により,晩婚化が進んでいる.また,最近の生殖補助医療の技術の進歩には目を見張るものがあり,晩婚化に伴う妊孕性の低下,不妊症例の増加と相俟って生殖補助医療による出生児数は増加を続けている.総出生児数に対する生殖補助医療による出生児の占める割合は,平成2年の0.09%から平成15年では1.55%にまで増加している.また,生殖補助医療の普及に伴い,多胎妊娠が急増している.昭和50年の単胎の出生数は約188.1万,多胎は約2.1万で,その後は分娩数の減少とともに単胎,多胎の出生数とも減り続けた.現在でも単胎の出生数が減り続けているのに対して,多胎妊娠は平成2年以降ほぼ毎年増加を続け平成16年の出生数は2.5万であった(図1)1).
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