今月の臨床 不育症診療─その理論と実践
子宮因子による不育症
熊切 順
1
,
武内 裕之
1
,
木下 勝之
1
1順天堂大学医学部産婦人科学教室
pp.1107-1113
発行日 2004年9月10日
Published Date 2004/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100597
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はじめに
不育症は着床完了した胚を母体が発育維持させる機構が障害されているか,あるいは胚側の問題により着床後の発育が維持されない状態の2つに大別される.母体側の原因は着床した良好胚の発育を維持できず,その結果流産の転帰となる.具体的な疾患として子宮奇形,子宮筋腫,子宮腺筋症,子宮内膜ポリープなどの子宮側要因が不育症に強く関与していると考えられる.またこれらは子宮内膜の局所的な血流分布の不均衡や子宮内腔の慢性的な炎症状態により,着床不全による不妊症の原因ともなりうる疾患である.本稿においては,これらの子宮性不育症についてその診断および治療法について述べることとする.
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