今月の臨床 不育症診療─その理論と実践
不育症と心理社会因子
杉浦 真弓
1
1名古屋市立大学医学部産婦人科学教室
pp.1154-1157
発行日 2004年9月10日
Published Date 2004/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100605
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流産の原因
不育症において明らかな原因であるのは抗リン脂質抗体,夫婦染色体均衡型転座,胎児染色体異常であり,反復流産の約60%は原因不明である.
胎児染色体異常については,従来,“偶然”であり習慣流産ではあまりみられないと推測されてきた.当院で検討したところ,既往流産回数が増えるにしたがって胎児染色体異常は減少した1).このことは既往流産回数が増えるにしたがって“偶然”である染色体異常はなくなってくるということを示すが,一方では既往流産回数2~4回ではまだまだ染色体異常による流産の頻度は50%以上存在する.筆者は胎児染色体異常を繰り返している患者が約18%存在すると推測している.
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