- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
1 はじめに
Sonohysterographyは,子宮内に液体を注入して形成されるフリースペースをコントラストとして利用しながら経腟超音波による子宮内の観察を行う方法であり,卵管の疎通性の評価に使用されることもある.子宮内に液体を注入して観察するアイデアは1981年のScanselli1)の報告がはじめてと思われる.1984年にRichmanら2)は卵管疎通性の評価について報告し,1986年にはRandolphら3)によって経腹超音波を使用した子宮内病変の観察が報告された.経腟超音波を使用した方法は,1987年にDeichertら4)によってはじめて報告されたが,子宮卵管造影に準じた手技と造影剤を使用していた.生理食塩水(以下,生食)を使用した方法は1992年にBonilla─Musolesら5)によって報告されたが,子宮卵管造影に準じた手技によっており,患者の忍容性や観察に問題があったと推察される6).
現在,広く使われているカテーテルを使用し,生食を注入しながら経腟超音波で観察する方法は1993年にFukudaら6),Parsons and Lense7)によって報告された.なお,sonohysterographyの用語は1993年にParsons and Lense7)が報告したものであるが,そのほかhysterosonography, transvaginal sonography,fluid contrast augmentation,saline infusion sonohysterography,saline infusion sonographyなどとも呼称されている.
近年,子宮内病変の検出,診断における有用性が報告されており,低侵襲で特別な設備を要せず,外来で簡便に施行でき,コスト的にも廉価(使用するカテーテルにもよるが)なため,手技さえ習得すれば日常診療における有用な診断法である.
Copyright © 2005, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.