連載 婦人科超音波診断アップグレード・15
超音波による子宮体癌の進行度の評価について
佐藤 賢一郎
1
,
水内 英充
2
1新日鐵室蘭総合病院産婦人科
2旭川みずうち産科婦人科
pp.1021-1032
発行日 2005年7月10日
Published Date 2005/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100376
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1 はじめに
本邦においては,1995年より子宮体癌に術後進行期分類が用いられているが,何らかの理由で手術を施行していない例では臨床進行期分類(FIGO1982分類,日産婦1983分類)を適用することになっている.また,高齢で合併症がありリンパ節郭清がためらわれる例や,単純子宮全摘術か準広汎および広汎子宮全摘術かの術式決定の際に,術前に進行期を予測する必要に迫られるケースがあり得る.このような場合に筋層浸潤,頸管浸潤の術前評価が役立つ.通常,子宮体癌の筋層浸潤,頸管浸潤の術前評価は超音波,MRI,CTなどの画像診断によってなされ,なかでもMRIについての有用性を示唆する報告が多いように思われる.頸管浸潤については,さらに分別掻爬,子宮鏡が評価に役立つ可能性がある.
超音波は,低侵襲でコスト面や簡便性でもMRI,CT,分別掻爬,子宮鏡に比較し優位性があり,普及率も高い.したがって,超音波により筋層浸潤,頸管浸潤の評価が行われれば症例によっては臨床的に有意義と考え,今回は,超音波による筋層浸潤,頸管浸潤を中心とした子宮体癌の進行度の評価について取り上げた.
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