連載 カラーグラフ
実践的な腹腔鏡下手術・5
卵巣嚢腫に対する腹腔鏡下手術:III—SAND Balloon Catheterを用いた方法について
伊熊 健一郎
1
,
子安 保喜
1
,
山田 幸生
1
,
脇本 栄子
1
1宝塚市立病院産婦人科
pp.473-475
発行日 1997年5月10日
Published Date 1997/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409905019
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SAND Balloon Catheterについて
癒着を伴うチョコレート嚢腫に対して,内容液の吸引やアルコール固定処置などの操作を簡便で安全にできる器具を目指して開発・改良したものが,SAND Balloon Catheter(八光商事,製造承認番号:08B−0004)である.本器具の構造は,16G針を内蔵した5mm外径のカテーテルで,先端に2つの10m1バルーンを装着しており,卵巣嚢腫穿刺後に両バルーンで嚢腫壁の把持・固定ができ,内針を抜針後の内径は14G相当になる.
本器具の特徴は,図(1)に示すように,①嚢腫内容液の吸引や洗浄操作を漏らすことなく行える,②アルコールなどの薬物処理も安全に施行できる,③把持鉗子や操作鉗子の役割を果たし癒着などの剥離操作にも有用である④体内で抜去をすることなく一連の操作で卵巣嚢腫を体外に誘導することができる,⑤体外法とともに体内法においても使用することが可能である,などの多くの機能をもちあわせている点である.
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