今月の臨床 早産─予防と対策
早産における子宮収縮の機序
熊澤 恵一
1
,
木村 正
1
1大阪大学大学院医学系研究科器官制御外科学(産科学婦人科学)
pp.728-733
発行日 2006年5月10日
Published Date 2006/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100126
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はじめに
早産は児の生命を危機にさらし,あるいは脳性麻痺などの後遺症を引き起こし,かつ完全なる予防,治療がが不可能な,きわめて重要な疾患である.また,近年増加傾向にある.先進国では早産の頻度は全分娩の5~10%にも上る.わが国の早産率は,ほかの先進国に比べ低く,全分娩の5%である.厚生労働省の人口動態統計によると,妊娠32週から36週までの早産は1980年の3.6%から2002年の4.7%まで増加し,妊娠28週から31週までの早産は0.4~0.5%と微増している.妊娠28週未満の超早期早産も0.13%から0.23%と漸増している.周産期医療の進歩により,人工早産が増加していること,不妊治療後の多胎妊娠なども,この増加の一因となっている.
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