今月の臨床 女性診療科外来プラクティス
II 腫瘍外来
3. 悪性疾患
4) 悪性腫瘍治療後のフォローアップ
庄子 忠宏
1
,
杉山 徹
1
1岩手医科大学産婦人科
pp.434-439
発行日 2006年4月10日
Published Date 2006/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100075
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1 はじめに
婦人科悪性腫瘍治療後のフォローアップの基本は,再発・再燃の早期診断と患者のQOLの改善・維持である.婦人科悪性腫瘍に対する治療は集学化しており,標準的治療やプロトコール治療(実験的治療)の効果,合併症・有害事象を熟知して,フォローアップを行う必要がある.本稿では,代表的な婦人科疾患である子宮頸癌,子宮体癌,卵巣癌に区分して治療後フォローアップの留意点について概説する.
欧米では,このようなフォローアップよる再発診断率より,患者自身が自覚症状により病院を訪れて再発がみつかる率が高く,医療経済的側面からも頻回なフォローアップが必ずしも標準的に推奨されていない.また,この背景には早期再発診断・早期治療開始が生存期間の延長と必ずしも相関しないこともある.しかし,われわれは本稿で述べるように厳格にフォローアップし,再発早期診断を行い,今後の治療の進歩により生存期間延長・QOL維持をはかっていくべきと考える.必要な検査を厳選して,経済的側面にも配慮したフォローアップを行うべきである.
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