今月の臨床 女性診療科外来プラクティス
II 腫瘍外来
2. 良性疾患
2) 卵巣良性腫瘍
落合 和徳
1
1東京慈恵会医科大学産婦人科学講座・臨床腫瘍部
pp.408-413
発行日 2006年4月10日
Published Date 2006/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100070
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1 はじめに
WHOでは,以前から卵巣腫瘍をその発生母組織から分類してきた.その発生母組織は,表層上皮,性索間質(顆粒膜細胞,莢膜細胞),胚細胞,間質細胞であり,日本産科婦人科学会の卵巣腫瘍組織分類もこれに準拠している.臨床的にはさらにこれを良性群,境界悪性群,悪性群に分類し取り扱いの目安としている1).
手術時の腫瘍割面の肉眼的所見から,嚢胞性腫瘍と充実性腫瘍の比率は3対1であり,要約すると嚢胞性腫瘍のほとんどが良性であり,悪性のものは充実性部分を含むことが多い.そのため,手術時の割面から,ある程度良悪性の鑑別が可能である.しかし最終的な診断は病理組織学的に行われなければならない.
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