グラフ 産婦人科とCT・3
良性卵巣腫瘍
滝沢 憲
1
Ken Takizawa
1
1東京女子医科大学産婦人科教室
pp.134-136
発行日 1987年3月10日
Published Date 1987/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207547
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Computerized Tomography (CT Scan)は,超音波電子Scanと同様に,腫瘍存在の有無,形態及び大きさの診断や,子宮・卵巣原発か,右か左かなどの臓器診断に有用である。X線吸収係数(水を0とすると空気は−1,000)の差を広範囲にわたり厳密に計算し,内部構造断面を描出するCTScanでは,Contrast enhanced effectによりX線吸収係数の差を増強できるので,内部構造の解析にはより有力である。
私達は,①撮影3時間前にガストログラフィン15mlを生食液400mlに希釈して内服,②検査直前に同濃度・同量を注腸して腸管を充満,③アミドトリゾ酸ナトリウムメグルミン30mlを点滴静注するなどして,Contrast enhancementしている。この結果,消化管,尿管,膀胱が造影され,かつ腫瘍血統に差があればX線吸収値の差を拡げて,腫瘤内での内部構造か明瞭となり,病変部と正常部の差が著明になる。
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