Japanese
English
論述
先天性橈尺骨癒合症—その臨床像の再検討と回転骨切り術の効果について
Congenital Radio-Ulnar Synostosis: Reconsideration of Its Clinical Feature and Effect of Rotation Osteotomy
引野 講二
1
,
石井 清一
2
,
薄井 正道
1
,
荻野 利彦
1
,
三浪 明男
1
,
福田 公孝
1
,
加藤 貞利
1
,
塩野 寛
3
Koji Hikino
1
1北海道大学医学部整形外科学教室
2札幌医科大学整形外科学教室
3札幌医科大学法医学教室
1Department of Orthopedic Surgery, School of Medicine, Hokkaido University
キーワード:
先天性橈尺骨癒合症
,
congenital radio-ulnar synostosis
,
回転骨切り術
,
rotation osteotomy
,
橈側列形成障害
,
radial ray deficiency
Keyword:
先天性橈尺骨癒合症
,
congenital radio-ulnar synostosis
,
回転骨切り術
,
rotation osteotomy
,
橈側列形成障害
,
radial ray deficiency
pp.1093-1099
発行日 1984年10月25日
Published Date 1984/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908685
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緒言
先天性橈尺骨癒合症は肘関節周辺の先天異常の中では最も多いものであり,その臨床像についてはいくつかの報告がある1,3,4,10,12).先天性橈尺骨癒合症の成因は不明であるが,母指の欠損に合併して出現してくることから近年本疾患を橈側列形成障害の部分症と考えるべきであるとの報告がある5,9).しかし,このような考え方については,まだ議論のあるところである.一方,治療については前腕の回旋運動を再建するために種々の試みがなされているが,現在まで安定した成績をあげるには至っていない.著者らのクリニックでは,三浪が1974年に20例の本疾患の臨床像および治療法について報告している10).今回はその後の症例について臨床像の分析を行い,特に本疾患が橈側列形成障害の部分症と考えうるか否かを検討した.また,最近,著者らが行っている回転骨切り術の術後の予後調査を行い,本疾患に対する回転骨切り術の有用性と適応を検討した.
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