発行日 2004年3月1日
Published Date 2004/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2004148681
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膝関節近傍の骨肉腫症例の中で系統的術前化学療法著効例に対し局所動注化学療法と温熱局所灌流術を併用し,関節温存手術を行った8例の長期的な下肢機能を評価した.経過観察期間は32~231ヵ月で,stage IIbの6例中5例が無病生存で,stage IIIの2例とstage IIBの1例が腫瘍死している.局所再発の1例を除く7例に,Aboulafia等のX線評価基準を用い,膝関節面の状態,関節裂隙,関節症変化,関節変形を評価した.6例はgrade 0と関節症変化はみられなかった.しかし,脛骨近位部発生の1例で術後徐々に関節症変化が進行し,内反変形がみられ術後95ヵ月時点でgrade 4であった.膝関節可動域は,局所再発1例と現在脚延長治療中の1例を除く6例において,3例は制限がなく,3例では5°~10°の膝伸展制限がみられた.関節機能評価は5例で100%,1例は進行する関節症変化と内反変形により最終経過観察時91点であった.1例は脚延長治療中である.下肢機能は5例では100%で,関節症変化と内反変形をきたした1例は最終経過観察時86.7%であった
©Nankodo Co., Ltd., 2004