Japanese
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整形外科基礎
圧縮荷重下における椎体・椎間板の応力解析—胸腰椎部粉砕骨折の発生機序について
Stress Analysis of Disc-Body Unit under Axial Compressive Loading: with Special Reference to Mechanism of Burst Fractures of Thoraco-Lumbar Spine
白土 修
1
,
鐙 邦芳
1
,
金田 清志
1
,
但野 茂
2
,
石川 博將
2
Osamu Shirado
1
1北海道大学医学部整形外科学教室
2北海道大学工学部塑性加工学講座
1Department of Orthopaedic Surgery, Hokkaido University School of Medicine
キーワード:
粉砕骨折
,
burst fracture
,
発生機序
,
mechanism
,
有限要素法
,
finite element method
Keyword:
粉砕骨折
,
burst fracture
,
発生機序
,
mechanism
,
有限要素法
,
finite element method
pp.1051-1057
発行日 1989年9月25日
Published Date 1989/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908184
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抄録:胸腰椎部粉砕骨折の発生機序を知る目的で,有限要素法により圧縮荷重下における椎体・椎間板の応力解析を行った.解析には,人屍体摘出腰椎標本の側面X線写真にもとづき2椎体と介在する1椎間板を忠実に描写したモデルを作成し,平面ひずみ問題として行った.椎間板の変性が,圧縮荷重に与える影響も調べるために,髄核に相当する節点に内圧を加え,変性度をシミュレートした.高応力領域は,海綿骨では,髄核直下に,また,皮質骨では,髄核直下と椎体後壁中央部にみられた.髄核直下の高応力領域は,椎間板の変性が進むにつれて,減少する傾向にあった.以上の結果から,粉砕骨折の発生機序を次のように推察した.すなわち,圧縮荷重により,髄核直下の海綿骨とend-plateが破断し,髄核が椎体内に陥入する.その結果,骨折線は,椎体後壁中央部に及び,骨片が脊柱管内に突出する.さらに,椎間板変性の高度な高齢者では,粉砕骨折が少ない理由も推察できた.
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