Japanese
English
特集 不安定頸椎—基礎と臨床—(第17回日本脊髄外科研究会より)
アテトーゼ型脳性麻痺に伴う頸髄症に対する棘突起縦割法脊柱管拡大術
Laminoplasty on Cervical Myelopathy due to Athetoid Cerebral Palsy
大西 五三男
1
,
黒川 高秀
1
,
平林 茂
1
Isao Ohnishi
1
1東京大学医学部整形外科学教室
1Department of Orthopaedic Surgery, Faculty of Medicine, University of Tokyo
キーワード:
脳性麻痺
,
cerebral palsy
,
頸髄症
,
cervical myelopathy
,
脊柱管拡大術
,
laminoplasty
Keyword:
脳性麻痺
,
cerebral palsy
,
頸髄症
,
cervical myelopathy
,
脊柱管拡大術
,
laminoplasty
pp.505-510
発行日 1989年4月25日
Published Date 1989/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908093
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抄録:アテトーゼ型脳性麻痺を伴う頸髄症は,不随意運動があり,頸椎症性変化が広範かつ高度で,手術範囲も広いことが多く,その結果術式の短所が早期に現われる傾向がある.棘突起縦割法脊柱管拡大術の本症に対する効果を知る目的で治療成績を調査した.対象は当科で拡大術をした本症患者10名(男7,女3:年齢31歳〜65歳平均46歳:平均術後経過期間4年)である.全例に棘突起縦割法を行い,前方固定術を1名,後方固定術を7名に併用した.脊柱傍筋群の復原を4名に行った.術後の運動機能の回復および頸椎の彎曲の変化を評価した.10名中7名に運動機能の回復があったが3名は不変であった.脊柱彎曲は,変化なし6名過度の前彎の正常化2名,後彎の発現1名,後彎の進行1名であった.この術式は本症に対しても除圧効果があり,術後の脊柱彎曲は良く保たれた.椎間固定を行わず,脊柱傍筋群の復原を行った2名は術後の彎曲変化がなく,アテトーゼがあっても必ずしも椎間固定が必要でない事を示唆する.
Copyright © 1989, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.