Japanese
English
特別企画 頚部脊柱管拡大術―そのポイント
その後の棘突起縦割法脊柱管拡大術
On Double Door Laminoplasty Splitting Spinous Processes for Stenosis of Cervical Spine
黒川 高秀
1
,
中村 耕三
1
,
星野 雄一
1
Takahide Kurokawa
1
1東京大学医学部整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Faculty of Medicine, University of Tokyo
キーワード:
脊柱管拡大術
,
laminoplasty
,
進人法
,
approach
,
長期成績
,
long term results
Keyword:
脊柱管拡大術
,
laminoplasty
,
進人法
,
approach
,
長期成績
,
long term results
pp.566-571
発行日 1995年4月25日
Published Date 1995/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901624
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はじめに
この術式は,椎間の可動性が脊柱の生理的な構造および機能を維持するために重要な要素であるという考えに立ち,椎間の運動を温存しつつ脊柱管腔を拡大することを目的として始めたものである.当初は,神経根障害の対策として,後方からの椎間関節部分切除や,一部の椎間の意図的な固定もありうることと考えていた.また,後縦靱帯骨化が椎弓切除後に増大する傾向があることが知られていたので,三椎間以上にわたって椎間を固定して骨化の増大を防止しようとした.椎間板変性とこれに伴ういわゆる不安定性や後弯傾向への対策としても,椎間を固定すべき場合があると考えていた.
術式としては,縦割した棘突起にはめ込む移植骨片の頭尾方向の長さを選ぶことによって,椎弓を容易に連結することができる(図1).椎間を固定しても,しなくても,手術の手間にはほとんど変りがないので,椎間固定が必要かどうかを純粋に考えて判断すればよかった.このことは,除圧と椎間固定とを必ず同時に行わなければならない前方除圧法に勝る点と考えていた.
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