Japanese
English
論述
頸髄不全損傷に対する棘突起縦割式脊柱管拡大術の成績
Results of Laminoplasty for Incomplete Cervical Spinal Cord Injuries
斎藤 正史
1
,
河野 亨
1
,
小野 俊明
1
,
釼持 和彦
1
,
柴崎 啓一
1
,
大谷 清
1
Masashi Saitoh
1
1国立療養所村山病院整形外科
1Department of Orthopedic Surgery, National Murayama Hospital
キーワード:
頸髄不全損傷
,
incomplete cervical spinal cord injury
,
頸部脊柱管狭窄
,
cervical canal stenosis
,
脊柱管拡大術
,
laminoplasty
Keyword:
頸髄不全損傷
,
incomplete cervical spinal cord injury
,
頸部脊柱管狭窄
,
cervical canal stenosis
,
脊柱管拡大術
,
laminoplasty
pp.1245-1250
発行日 1990年11月25日
Published Date 1990/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900218
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抄録:頸髄不全損傷に対する手術療法の適応は,なお意見の一致を見ない.脊髄圧迫因子が認められない場合,保存療法が適応されるが,脊柱管狭窄が既存し,これが脊髄麻痺に関与していると考えられる症例では,除圧術の適応がある.今回,頸部脊柱管狭窄を伴う頸髄不全損傷の10例に対して棘突起縦割式脊柱管拡大術を行った.
症例の平均年齢は61歳と高齢者に多く,損傷型は横断型5例,中心部損傷型4例,Brown-Séquard型1例であった.受傷機転が明らかであったのは7例で,すべて伸展損傷であった.手術成績はJOA scoreで評価した結果,平均改善率は36.7%であった.術後成績に関与する因子として年齢があげられ,高齢者では成績が不良であった.以上により,頸髄不全損傷に対して棘突起縦割式脊柱管拡大術は有効であるが,高齢者に対する適応は慎重でなければならない.
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