Japanese
English
臨床経験
仙椎に発生した類上皮腫の1例
A Case of Epidermoid Cyst of the Sacrum
山県 昇
1
,
前山 巌
1
,
古瀬 清夫
1
,
森本 兼人
1
,
崎長 靖生
1
,
折戸 隆
1
,
奥野 誠
1
Noboru Yamagata
1
1鳥取大学医学部整形外科学教室
1Department of Orthopedic Surgery, Tottori University, School of Medicine
キーワード:
類上皮腫
,
epidermoid cyst
,
仙椎
,
sacrum
,
骨腫瘍
,
bone tumor
,
骨セメント
,
bone cement
Keyword:
類上皮腫
,
epidermoid cyst
,
仙椎
,
sacrum
,
骨腫瘍
,
bone tumor
,
骨セメント
,
bone cement
pp.315-318
発行日 1988年3月25日
Published Date 1988/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907805
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抄録:仙椎に発生した径約10cmの類上皮腫の1例を報告した.類上皮腫の骨内発生はまれで,特にそのうちでも仙椎に発生した症例の報告は本邦ではみられない.本症例は,臨床的に脊索腫との鑑別が問題となった症例であり,その治療に関しても困難な問題をかかえていた.症例は45歳の女性で近医にて仙椎部骨腫瘍を指摘され当科を紹介されてきた.なお,14年前より排尿障害があった.X線像では第1仙椎から第5仙椎にわたる骨透亮像を認めた.臨床的に脊索腫を疑い,仙椎の亜全摘を試みるも,外腸骨静脈との癒着著明で腫瘍の掻爬術に変更し,骨移植およびsacral rodとHarrington rodを併用して腰仙椎を固定した.8ヵ月後,病巣掻爬を行い骨セメントを充填し,rodを除去した.組織学的には類上皮腫と診断した.現在腰仙椎固定後13ヵ月,最終術後7ヵ月にて,膀胱直腸障害は残存するも,1本杖にて歩行可能である.
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