Japanese
English
臨床経験
広範な仙骨破壊を呈したMyxopapillary ependymomaの1例
A Case Report of Myxopapillary Ependymona with the Sacral Destruction
野島 孝之
1
,
井上 和秋
1
,
金田 清志
2
,
佐々木 鉄人
2
,
松野 丈夫
2
,
八木 知徳
2
,
佐藤 栄修
2
,
倉上 親治
2
Takayuki Nojima
1
1北海道大学付属病院病理部
2北海道大学医学部整形外科
1Department of Pathology, Hokkaido University Hospital
キーワード:
脳室上衣腫
,
ependymoma
,
仙骨
,
sacrum
,
骨腫瘍
,
bone tumor
,
脊索腫
,
chordoma
Keyword:
脳室上衣腫
,
ependymoma
,
仙骨
,
sacrum
,
骨腫瘍
,
bone tumor
,
脊索腫
,
chordoma
pp.947-950
発行日 1986年8月25日
Published Date 1986/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907467
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抄録:仙骨に発生する腫瘍としては,脊索腫や軟骨肉腫が多い.今回我々は,25歳女性の仙骨に広範な骨破壊をきたし,生検時脊索腫を疑ったmyxopapillary ependymomaの1例を経験したので,脊索腫と軟骨肉腫とのX線学的,組織学的鑑別について考察を加えて報告した.Myxopapillary ependymomaは良性腫瘍で,本例の如く仙骨を広範に破壊した報告は,文献上みられなかった.初発症状出現より3〜4年の経過が,このような破壊を示したと思われる.仙骨を強く破壊するmyxopapillary ependymomaは,X線学的には溶骨性変化が主体で,蜂窩状構造や異常石灰沈着像を示さないのが特徴と思われた.また組織学的には,特殊染色PAP法にて,S-100蛋白陽性,ケラチン陰性,GFAP陽性を示し,S-100蛋白陽性,ケラチン陽性を示す脊索腫やS-100蛋白陽性,ケラチン,GFAPともに陰性を示す軟骨肉腫と染色態度により鑑別が可能と考えられた.
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