発行日 2004年5月1日
Published Date 2004/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2004231734
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18歳男.主訴は仙椎部痛と浸出液であった.入院時,仙骨正中部に中央に小孔のある発赤を伴う7mmの結節と正中一直線上に5コの小孔が存在していた.MRIでは仙椎部にT1低,T2高輝度の病巣を認め,最も近位の小孔からの瘻孔造影で,7cmの瘻管が認められたが,脊髄腔との交通はなかった.単純CTでは仙椎部(S1~S4)に潜在性二分脊椎が認められた.手術では上方の瘻孔開口部と下方の小孔に連続性が認められた.洞は皮下脂肪内に存在した.全ての小孔を含め一塊で摘除した.摘出標本の割面では瘻孔内に多数の毛髪を認めた.病理所見では瘻孔内壁は角化重層扁平上皮でおおわれ,その壁が破綻して周囲に細胞性肉芽反応を伴っていた.術後2ヵ月,創は治癒し再発は認めない
©Nankodo Co., Ltd., 2004