Japanese
English
論述
四肢悪性軟部腫瘍の切離断例の検討
Amputation or Disarticulation of Soft Tissue Sarcomas of the Extremities
大野 和則
1
,
後藤 守
1
,
山脇 慎也
1
,
姥山 勇二
1
,
井須 和男
1
Kazunori Ohno
1
1国立札幌病院整形外科
1Department of Orthopedic Surgery, National Sapporo Hospital
キーワード:
悪性軟部腫瘍
,
soft tissue sarcoma
,
切断
,
amputation
,
関節離断
,
disarticulation
,
局所再発
,
local recurrence
Keyword:
悪性軟部腫瘍
,
soft tissue sarcoma
,
切断
,
amputation
,
関節離断
,
disarticulation
,
局所再発
,
local recurrence
pp.1131-1137
発行日 1987年10月25日
Published Date 1987/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907705
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抄録:当科にて扱った四肢発生の悪性軟部腫瘍のうち,切離断術を施行した38例について検討した.切離断の適応となった例は,骨・大血管・主要神経へ腫瘍が浸潤したいわゆるT3の症例が最も多く31例(81.5%)を数えた.組織型別では脂肪肉腫が最も多く,次いで横紋筋肉腫,MFH,血管肉腫が多かった.新鮮例は15例で横紋筋肉腫が最も多く,局所再発例は16例で脂肪肉腫が最も多かった.
切離断例の3年生存率は21.2%ときわめて不良であった.38例中32例(84.2%)がstage IVにて切離断術をうけており,これらの予後は組織学的悪性度の高低よりも病期が支配している結果を示した.局所再発は腫瘍の局所浸潤度を増し,切離断という四肢の重大な機能喪失をもたらすだけでなく,その生命予後をも悪化させた.再発を生じ切離断術を行った腫瘍には,組織学的悪性度の比較的低いものが多く,適切な初回治療による再発の防止が大切である.
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