Japanese
English
臨床経験
大理石病に合併した骨肉腫の1例
A Case Report of Osteosarcoma Arising in Osteopetrosis
加藤 和代
1
,
倉都 滋之
1
,
信貴 経夫
1
,
橋本 伸之
1
,
荒木 信人
1
,
越智 隆弘
1
Kazuyo Kato
1
1大阪大学医学部整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Osaka University Medical School
キーワード:
osteosarcoma
,
骨肉腫
,
osteopetrosis
,
大理石病
,
chemotherapy
,
化学療法
Keyword:
osteosarcoma
,
骨肉腫
,
osteopetrosis
,
大理石病
,
chemotherapy
,
化学療法
pp.925-929
発行日 1999年7月25日
Published Date 1999/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902762
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抄録:家族性成人型大理石病の患者に骨肉腫が発生した極めて稀な1例を経験したので報告する.症例は23歳男性.主訴は右肘部の疼痛と腫脹.小児期より軽微な外傷による小骨折を繰り返しており,9歳時に大理石病と診断されていた.画像上,右橈骨近位骨幹端を中心に主として骨外に腫瘍陰影を認め,アルカリフォスファターゼ(ALP)も異常な高値を示し,生検で骨肉腫と診断された.初診時より両肺野に多発する転移を認めたため,イフォマイド,アドリアマイシン,シスプラチンを中心とした多剤併用化学療法を開始した.4クールの化学療法が終了した時点で,右橈骨の原発巣に対して腫瘍切除・掻爬術を施行し,術後放射線治療を局所に追加した.さらに4クール(計8クール)の化学療法が終了した時点で,画像上原発巣には明らかな活動性病変を認めず,ALPも一旦正常化した.しかし,その後再びALPが上昇し,血痰の喀出もみられ,肺転移巣の悪化による呼吸不全のため,治療開始後11カ月で死亡した.
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