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特集 腰仙部根症状の発症機序—基礎と臨床—(第15回日本脊椎外科研究会より)
腰仙部根障害と椎骨静脈造影所見—とくに馬尾性間歇性跛行の病態に関して
Lumbar Spinal Phlebography of the Lumbosacral Lesion: Special Reference to the Intermittent Cauda Equina Claudication
駒形 正志
1
,
三浦 幸雄
1
Masashi Komagata
1
,
Yukio Miura
1
1東京医科大学整形外科学教室
1Department of Orthopedic Surgery, Tokyo Medical College
キーワード:
腰部脊柱管狭窄症
,
lumbar canal stenosis
,
馬尾性間歇性跛行
,
intermittent claudication of cauda equina
,
脊椎静脈造影
,
spinal phlebography
Keyword:
腰部脊柱管狭窄症
,
lumbar canal stenosis
,
馬尾性間歇性跛行
,
intermittent claudication of cauda equina
,
脊椎静脈造影
,
spinal phlebography
pp.489-500
発行日 1987年4月25日
Published Date 1987/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907612
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抄録:腰仙部根障害の病態のなかで,血管性因子の関与について,腰椎椎骨静脈叢の造影所見の面から検討した.症例は腰椎疾患110例で,腰部脊柱管狭窄症63例,腰椎椎間板ヘルニア32例,変形性腰椎症10例,他5例である.
結果:①腰部脊柱管狭窄症においては,他の腰椎疾患と比べ,内椎骨静脈叢により広範囲な欠損像が認められる.②臨床症状と造影所見との比較では,根症状としては理解しにくい広い範囲に症状を訴えるものに広範囲な内椎骨静脈叢の欠損がみられる.③欠損の程度と跛行時間との間に相関が認められる.④狭窄症例では,腰椎の前後屈,荷重など,姿勢の変化により椎骨静脈叢の造影所見は著明に変化し,この傾向は他の腰椎疾患では,はるかに少ない.⑤Cine-phlebographyを行い,内椎骨静脈叢は姿勢の変化により,秒単位の極めて短時間に静脈循環に変化が生ずることが確認された.⑥狭窄症例のなかには,椎骨静脈造影後数日間症状の軽快をみたものがある.⑦術前術後の比較では,laminectomyなどにより術後症状の軽快とともに,内椎骨静脈叢の造影所見に全例,改善がみられた.
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