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特集 脊椎・脊髄外科診断学の進歩(第14回日本脊椎外科研究会より)
馬尾性間歇跛行の電気生理学的解析
Electrophysiological Analyses on Cauda Equina Intermittent Claudication
玉置 哲也
1
,
辻 陽雄
2
,
高野 治雄
2
,
高桑 一彦
2
,
野口 哲夫
3
Tetsuya Tamaki
1
1千葉大学医学部整形外科学教室
2富山医科薬科大学整形外科学教室
3富山県高志リハビリテーションセンター
1Department of Orthopaedic Surgery, School of Medicine Chiba University
2Department of Orthopaedic Surgery, Faculty of Medicine, Toyama Medical and Pharmaceutical University
キーワード:
馬尾性間歇跛行
,
cauda equina intermittent claudication
,
馬尾神経伝導速度
,
nerve conduction velocity of cauda equina
,
脊髄誘発電位
,
spinal cord evoked potential
,
末梢神経幹電気刺激
,
electrical stimulation on peripheral nerve trunk
Keyword:
馬尾性間歇跛行
,
cauda equina intermittent claudication
,
馬尾神経伝導速度
,
nerve conduction velocity of cauda equina
,
脊髄誘発電位
,
spinal cord evoked potential
,
末梢神経幹電気刺激
,
electrical stimulation on peripheral nerve trunk
pp.513-517
発行日 1986年4月25日
Published Date 1986/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907407
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抄録:腰部脊柱管狭窄症の主症状である馬尾性間歇跛行の発生機序の解析を臨床神経生理学的手段を用いて試みた.まず,弛緩,肥厚した馬尾(redundant nerve root)の神経伝導速度を測定したところ明らかな低下が認められ,神経線維に組織学的な変化が及んでいることが示されていた.また下肢神経幹刺激による脊髄誘発電位を観察し,歩行により間歇跛行を惹起すると,誘発電位の振幅が低下すること,またそれが,分単位の短時間内に回復することを認めた.他方,下肢神経幹への持続電気刺激が一時的ではあるにせよ間歇跛行出現に至るまでの歩行距離を延長させる効果のあることも観察された.この効果は,いわゆるstructural factorに影響を及ぼすことにより発現したものでなく,血流の変化など動的な要素として考えられるもののなかでもmechanicalなものではない要因に影響を及ぼした結果であると判断した.これらの所見より,血流の変化が発現機序の要因となっていると結論した
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