特集 腰仙部根症状の発症機序—基礎と臨床—(第15回日本脊椎外科研究会より)
座長総括/「Ⅸ.脊柱管狭窄(1)」の部
竹光 義治
1
Yoshiharu Takemitsu
1
1旭川医科大学整形外科学教室
pp.362-363
発行日 1987年4月25日
Published Date 1987/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907594
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本Sessionでは主として腰部脊柱管狭窄症の病態と診断面での最近の進歩について興味ある発表と討議が行われた.
広藤(近畿大)はMCTを用い各高位における骨性脊柱管,外側陥凹の断面積に対する硬膜管と神経根の占拠率を計測,ヘルニアを対照として症状との関係を検討した.LSCSではその占拠率が大きく発症には発育性狭小化より椎間部での変性因子の影響が大きいと述べた.これに対し,佐野(三楽病院)は外側陥凹の範囲とCT上での軟部読影の問題点を指摘,城戸(山口大)は,同一面積でも脊柱盆管の形態で圧迫態度は異なると思うが占拠率と圧迫程度は相関したか,との質問があった.佐野に対する回答は省略.城戸に対して,厳密に言えば形態も問題であるが椎弓根下高位で見れば余り差はなく発症機序に関しては占拠率の意味する所が大きいと述べた.今後dynamic factorを入れた上での検討も望まれた.
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