特集 Spinal Instrumentation(第13回脊椎外科研究会より)
座長総括/「Ⅷ.Anterior Instrumentation」の部
竹光 義治
1
Yoshiharu Takemitsu
1
1旭川医科大学整杉外科学教室
pp.343-344
発行日 1985年4月25日
Published Date 1985/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907161
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本sessionでは前方内金属固定法の5題が論じられた.先ず,Ⅷ-49 Hsuは香港大学整形外科において1980年までに施行された150例のDwyer手術の成績について発表した.103例のpolio-scoliosisではHarrington法(以下H.法と略)後方固定術の追加が不可欠であるが,全体の平均で72%の良好な矯正率を得,殊に座位バランスが著しく改善,特発性の胸腰椎,腰椎側彎ではH.法に比し平均3椎は固定範囲が短くてすむ利点があった.合併症は比較的多くポリオで,仮関節4,深部感染4,胸部合併症8があり,殊に深部感染は重篤で金属抜去術など侵襲が大となること,後彎化やstabilityの点で以後はZielke法(以下Z.法)にきりかえたと述べた.
Ⅷ-50大谷は神経筋疾患性側彎に対し11年間に応用したDwyer法12,Z.法3,Z.+H.法2,内,polio 8,小児期脊損と二分脊椎6,角度は47〜120°の17例について報告した.脊髄麻痺例では矯正率72%と良好であったがpolioでは42.5%で,non-unionのため後方固定術を加えたもの3,深部感染1を経験した.患者の満足度はおおむね良いが,X線所見と必ずしも一致せず,適応や固定範囲決定に慎重を要すると報告した.この2題に多数の質疑応答があった.
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