特集 Multiply operated back
総括/第9回脊椎外科研究会—特殊な症例の部
井形 高明
1
Takaaki IKATA
1
1徳島大学医学部整形外科学教室
pp.326-327
発行日 1981年4月25日
Published Date 1981/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408906316
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脊椎疾患に対しても手術療法を採用するに当つては充分な適応の検討が行われ,手術の実施ならびに術後の管理に万全を期さなければならない.本セクションに集められた演題にはmultiply operated backの要因としての①非隣接型椎間板ヘルニア②いわゆるhidden zoneのヘルニア③残存骨ないし骨新生,さらには④椎体炎症巣の不全郭清の問題がとりあげられた.また腰椎部椎弓切除後の下肢麻痺発生例についても述べられた.いずれにも今回の主題であるmultiply operated backを論議する手始めとしてふさわしい内容の発表ならびに討論が行われ,立派に後続セクションの先立ちの意義をはたしたものと思う.以下,その内容を紹介し印象を加えて報告する.
まず,演題Ⅰ-1で浜氏(近畿大)は非隣接椎間板に発生したdouble herniaを取りあげた.症例は22歳の男性で過去3年間腰痛を繰り返した後歩行困難を訴えるに至つた.神経症状から右L3〜L5の神経根障害を疑い,後頭下穿刺によるmyelographyを行い,まずL2/3間のヘルニアを診断し,さらにdelayed myelographyでL4/5におけるヘルニアを見出した.
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