特集 脊椎腫瘍(第8回脊椎外科研究会より)
総括
脊椎腫瘍の診断の部
井形 高明
1
Takaaki IKATA
1
1徳島大学医学部整形外科学教室
pp.336-337
発行日 1980年3月25日
Published Date 1980/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408906101
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脊椎腫瘍の診断は必ずしも容易ではない.頻度においては脊椎癌転移が多いものの,原発巣が不明な症例では原発性腫瘍,さらには脊椎カリエス,骨粗鬆症や圧迫骨折などとの鑑別にしばしば難渋する.このセクションに寄せられた10題は脊椎腫瘍の診断,特に脊椎癌転移に関係したものであり,一般臨床像,レ線像,骨シンチグラム,CTスキャンならびにbiopsyなどによる診断と問題点についてそれぞれ的をしぼって発表された.これらの内容のあら筋を紹介し討論の焦点をまとめてみる.
まず,熊本大,高木氏らから転移性脊椎腫瘍の診断に当ってはmyelomaや脊椎カリエスとの鑑別を念頭におく必要性が説かれ,レ線上脊椎病変の明らかでない転移性脊椎腫瘍の存在をも示された,加えて,名古屋大,杉浦勲氏は組織学的診断上困難であった症例を①Round cell group,②Histocytic group,③Neurogenic group,④Other rare groupに分け,それぞれの鑑別点が述べられた.
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