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境界領域
Cephalosporin系抗生物質の骨髄内移行濃度について
Concentration of cephalosporin derivatives in bone marrow blood
桜井 実
1
,
松木 昇
1
,
植田 俊之
1
,
北原 博
1
Minoru SAKURAI
1
1東北大学医学部整形外科学教室
1Department of Orthopaedic Surger, Tohoku University School of Medicine
pp.261-268
発行日 1979年3月25日
Published Date 1979/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905873
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はじめに
人工関節置換術など骨組織に接して大きな異物を挿入する場合の感染予防の観点から,術前に抗生物質を投与する方法がとられているが,散在する菌がかなりの高率でペニシリンに耐性を持つていることから,できるだけ新しい広範囲の菌に作用する抗生物質を用いた方が有利である.
股関節全置換術を行なつたときの大腿骨近位の骨髄内血液へのcephalothin(CET)の移行濃度は,血清中濃度に比してかなり低いことが見出され,したがつて大量の投与の望ましいことをすでに発表したが1)(整形外科,29巻,485P),その後cefazolin(CEZ)および新しい抗生物質SCE-963について同様の検索を行なつてみたところ,逆に骨髄内の方が高濃度である例にかなりの頻度で遭遇した.これは生体内のesteraseによつてCETが分解される機序が関係しているらしいことが想像される.以上3種類のcephalosporin系抗生物質の骨髄内移行濃度について検索した結果を報告したい.
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