今月の主題 化学療法剤—現状とその使い方
新しい化学療法剤
マクロライド系抗生物質
中山 一誠
1
1日大・第3外科
pp.826-827
発行日 1973年7月10日
Published Date 1973/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204801
- 有料閲覧
- 文献概要
Macrolideとは,1957年Woodwardにより,巨大なるLactoneと,それにglucoside結合するaminosugarおよびcarbonyl基を共通の基本構造とする抗生物質に名付けられたものである(図1,2).本稿では抗菌スペクトルおよび代謝様式の類似するLincomycin,ClindamycinおよびRifampicinについても言及する.
Macrolide系抗生物質は主としてグラム陽性菌,グラム陰性球菌,大型ウイルス,マイコプラズマなどに抗菌力のある中範囲抗生物質で,SA,PC,SM,TCなどに耐性のブドウ球菌にも有効である.作用機序は蛋白合成阻害とされており,Macrolide系抗生物質およびLincomycin系抗生物質にはそれぞれ相互間に完全ではないが交叉耐性がある.
Copyright © 1973, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.