論述
最近の脊椎カリエスによる脊髄麻痺の特徴とその手術成績について
満足 駿一
1
,
里見 和彦
1
,
柴崎 啓一
1
,
大谷 清
1
,
野町 昭三郎
1
Shunichi MANZOKU
1
1国立療養所村山病院整形外科
pp.1004-1012
発行日 1978年11月25日
Published Date 1978/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905800
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はじめに
1953年(昭和28年)以来5年毎に実施されている結核実態調査1)によると,前回の調査時即ち1973年(昭和48年)には,全結核要医療患者の人口対率はすでに1%以下となり,推定患者数でも82万人となつて始めて患者数が100万人を割つた.このような傾向に呼応して,一時は26万床も数えた結核病床数は,1973年には半数の13万床に減少したしその病床利用率も60%近くにまで低下した.その上,結核実態調査で発見されたこれらの全結核要医療患者の年齢構成をみると,1953年には,30歳未満が32%を占め,60歳以上は11%にしかすぎなかつたのが,年度が進むにつれて若年者層の占める割合が減少し,逆に高齢者の割合が増加してきた.すなわち,1973年には30歳未満は11%,60歳以上が37%となり,構成割合が1953年当時に比べて逆転し,45歳以上の患者が全患者のほぼ2/3を占めるようになつた.また,1973年の調査による新登録結核患者の発生率を年齢別にみると,45歳未満では年間10万対50くらいであるのに対し,45歳を過ぎると10万対150から200と急激に増加している.
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