特集 脊椎の炎症性疾患
脊椎カリエス高度亀背の手術的治療に関する問題点
大谷 清
1
,
里見 和彦
1
,
満足 駿一
1
,
柴崎 哲一
1
,
野町 昭三郎
1
Kiyoshi OHTANI
1
1国立療養所村山病院整形外科
pp.377-386
発行日 1978年4月25日
Published Date 1978/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905702
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はじめに
我々が脊椎カリエスの亀背に対して脊椎カリエス根治手術と同時に積極的矯正を採り始めたのは1966年である,当時は後方骨切術,椎体病巣郭清術後に緩徐矯正する方法であつた.その詳細は整形外科22巻,6号に掲載した.この方法では高度亀背に対しては脊髄麻痺等の重篤合併症併発の危険があり,矯正は禁忌であつた.その後,1973年halo-pelvic tractionを亀背矯正領域へ導入して以来,高度亀背矯正にも画期的進歩がみられてきた.その方法,成績等については学会および雑誌(整形外科27巻,5号)で発表してきた.
今日,高度亀背例の手術はhalo-pelvic tractionの併用なしでは不可能である.しかし本tractionの応用でも高度亀背の手術に伴う合併症をすべて防止することは到底望めない.我々は症例を重ねるとともに高度亀背例の手術に関して多くの問題点に遭遇してきた.
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