Japanese
English
論述
頚椎カリエスの治験例
The Surgical Treatment of Tuberculosis of the Cervical Spine
大山 泰生
1,2
,
大谷 清
1
,
谷戸 祥之
1
,
斉藤 正史
1
,
柴崎 啓一
1
Yasuo Oyama
1,2
1国立療養所村山病院整形外科
2現:国立小児病院整形外科
1Department of Orthopedic Surgery, National Murayama Hospital
キーワード:
頚椎カリエス
,
tuberculosis of the cervical spine
,
脊髄麻痺
,
spinal paralysis
,
手術的治療
,
surgical treatment
Keyword:
頚椎カリエス
,
tuberculosis of the cervical spine
,
脊髄麻痺
,
spinal paralysis
,
手術的治療
,
surgical treatment
pp.1029-1035
発行日 1995年9月25日
Published Date 1995/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901713
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抄録:過去10年間に当院で入院治療を行った頚椎カリエス新鮮例につき検討した.この間の全脊椎カリエスは180例で,頚椎カリエスは5例(2.7%)であった.内訳は男性1名,女性4名,入院時平均年齢65.4歳で,4例に麻痺を合併した.全例に手術(病巣郭清,脊椎固定術)を行い,麻痺の回復が認められた.
結核の既往のあるものは1例のみで,5例中3例は当初,転移性脊椎腫瘍,変形性頚椎症の診断で治療を受けていた.また,1例は肺結核を含め,他の部位に結核病巣は発見されなかった.
頚椎カリエスは脊椎カリエス全体の1~5%と稀である.肺結核の既往の明らかでない例も多く,患者数の減少,高年齢化も加わって,頚椎カリエスは転移性脊椎腫瘍,化膿性脊椎炎,変形性頚椎症,骨粗霜症による圧迫骨折等との鑑別が問題となる.今後とも頚椎の破壊性の病変を見たとき,頚椎カリエスも念頭に置く必要がある.
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