論述
上肢尺側列形成不全の発現様式
荻野 利彦
1
,
石井 清一
1
,
三浪 三千男
1
,
薄井 正道
1
,
村松 郁夫
1
Toshihiko OGINO
1
1北海道大学医学部整形外科学教室
pp.997-1003
発行日 1978年11月25日
Published Date 1978/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905799
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緒言
上肢先天奇形の中で母指形成不全は橈骨欠損を,また尺側指の形成不全は尺骨欠損を伴つて出現してくることが多い.これらの奇形は上肢の長軸方向に障害が限局しているため縦列形成不全と総称される22).縦列形成不全の中で,形成障害が橈側に限局しているものは椀側列形成不全,尺側に存在するものは尺側列形成不全と呼ばれている.橈側列形成不全の病態および発現様式に関しての報告は多い.一方,尺側列形成不全は橈側列形成不全に比べて出現頻度が少なく,病態および発現様式に関しても不明な点が少なくない.著者らは,尺側列形成不全の発現様式を明らかにする目的で,臨床例について病像の分析をした.さらに,動物実験でラットに尺側列形成不全を誘発して臨床例との関連を検討した.
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