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特集 脊椎腫瘍(第8回脊椎外科研究会より)
転移性脊椎腫瘍と脊椎カリエス—X線所見からみた鑑別診断
Differential diagnosis between tuberculous spondylitis and metastatic carcinoma of the spine from roentgenological point of view
満足 駿一
1
,
渡辺 俊彦
1
,
中井 定明
1
,
藤村 祥一
1
,
柴崎 啓一
1
,
大谷 清
1
,
野町 昭三郎
1
Shunichi MANZOKU
1
1国立療養所村山病院整形外科
1Dept. of orthop surg., National Murayama hospital
キーワード:
鑑別診断
,
differential diagnosis
,
脊椎カリエス
,
tuberculous spondylitis
,
転移性脊椎腫瘍
,
metastatic carcinoma
Keyword:
鑑別診断
,
differential diagnosis
,
脊椎カリエス
,
tuberculous spondylitis
,
転移性脊椎腫瘍
,
metastatic carcinoma
pp.292-300
発行日 1980年3月25日
Published Date 1980/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408906091
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はじめに
今日,脊椎疾患の分野においては,X線検査法以外にも種々の診断方法が開発されており,それらの普及と共に,診断の精度は著しく向上した.しかし,どのような方法を採るにせよ,確定診断を委ねられる程の特異性と精度の両方を兼ね備えた単独の方法というものは今もつて無く,現状ではそれぞれの方法も,あくまでも補助診断法としての一定の役割を持つに留つている,成程一部には,悪性腫瘍の検索は,従来の全身骨X線検査法に替つて,最早,骨シンチグラフィーによるべきであるという主張もある程に,骨シンチグラフィーは,病巣の発見やその局在と範囲に関しては,秀れて鋭敏に感知するが,しかし残念ながら,いまだ疾患の性状を充分識別するに至つていない.また,たとえ骨生検によつてさえも,組織学的あるいは細菌学的に陽性所見を得るまでは,確定診断を下し得ないことは周知の通りである.さて,後に示すように,近年わが国では,脊椎カリエス(以下,単にカリエスと略す)の患者は,着実に減少の一途を辿つており,陳旧例を除けば,新鮮な実際の症例に接する機会は一般には極めて少なくなつた.
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