特集 脊椎の炎症性疾患
脊椎カリエスによる高度亀背に対する手術療法とその成績
井上 駿一
1
,
林 道夫
1
,
宮坂 斉
1
,
高橋 和久
1
Shunichi INOUE
1
1千葉大学医学部整形外科学教室
pp.387-399
発行日 1978年4月25日
Published Date 1978/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905703
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脊椎カリエスにもとづく高度亀背に対する積極的矯正手術は1958年以来のHodgson2-6,10,11,15)らの仕事に負うところが大きい.最初の頃のanterior spinal osteotomy後,矯正と固定を一期的に行なう方法は麻痺の発生を見た例もあり,また獲得された矯正もあまり良好なものとは言えなかつたようである3,15).しかし1970年Dewald, Ray1)らにより本格的に使用されるようになつたHalo-pelvic traction apparatusが登場(Hodgson10,11)らが1958年にはじめて使用したといわれるが…)するにおよびカリエスの矯正手術は飛躍的な進展をとげるにいたつた.1974年Yau,Hodgsonら香港グループは平均115.5゜の30例の亀背患者に対しHalo-pelvic distractionを用い外科的矯正手術を加え平均28.3%の矯正を得た事を報告した15).
千葉大学でも従来の高度後側彎症手術の経験をもとに1973年11月より千葉大学式Halo-pelvic traction apparatus8)を応用し,引きつづいて計画された一連のstaged operationを実施しほぼ満足すべき手術成績を得ているので以下その概略を述べたいと考える.
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