境界領域
重度頸髄損傷者のためのリハビリテーション工学—我国の現状と欧米の実情
赤津 隆
1
Takashi AKATSU
1
1九州労災病院整形外科
pp.794-799
発行日 1977年8月25日
Published Date 1977/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905574
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はじめに
我国のリハビリテーション工学も着々と発展しつつある.特に建築上の障害の排除,社会環境の整備については,昭和46年,天児名誉教授1)が工学者の協力を強く要望され,その後昭和48年からの身障福祉指定都市も50市を越えるに至つた.新幹線にも車椅子専用席が設けられる時代となつた.
しかし重度障害者,特に重度頸髄損傷者個人に対する工学的援助は我国では未だ未開拓であり,この方面に興味をもつ工学者は,はなはだ少い現状である.私共が今直ちに必要としているのは,Staros等2)のいうClinical engineeringである.優れた電動義手の開発ができるのであれば,重度四肢麻痺者に対する工学的援助は,決して不可能なことではないと考える.ここにそのニードを提供して,工学者の御協力を得たいと思う.
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